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事例紹介

マニュアル評価

国際規格IEC 82079-1に基づいたマニュアル構造診断

マニュアル評価
産業用装置マニュアルの「探しやすさ」と「安全性」を客観的指標で改善へ

1. 導入の背景と課題

国内産業用機械メーカーS社様では、長年、産業用装置の取扱説明書を制作してきました。
PDF化によるカラー化や情報の網羅には取り組んでいたものの、マニュアルが巨大化するにつれ、以下の課題が顕在化していました。

  • 情報の探しにくさ: 情報は網羅されているが、分類や提供の順番(ストーリー)が一貫性を欠き、ユーザーが目的の情報にたどり着くのに時間がかかる
  • 制作ルールの不統一: 手順説明の記載ルール(Step1、(1)、1.など)が箇所によって異なり、読み手の混乱を招いている
  • 国際規格への適合性: 使用説明の国際規格「IEC 82079-1」を意識してはいるものの、具体的な情報の定義や配置が規格に準拠しきれているか、客観的な評価が必要であった。

2. 実施したソリューション

弊社は、IEC 82079-1に基づき、S社様のマニュアルに対して「定性評価」と「定量評価」の両面から構造診断を実施しました。

① 情報タイプの定義と整理(定性評価)

IEC 82079-1が定める3つの情報タイプ(概念情報、指示情報、参照情報)に基づき現状のマニュアルを分析。
これらが混在している箇所を特定し、ユーザーの作業目的(設置、成形、保守など)に合わせた分冊化や章構成の再構築を提案しました。

② 安心・安全情報の最適化

冒頭の「安全上の注意」に製品全体のリスクと個別の作業リスクが混在していた点を指摘。
個別の警告文は、実際の作業手順の直前に配置する「強制事項」として整理し、安全性を高める構成案を提示しました。

③ ビジュアル品質の平準化

イラストや写真の品質のバラツキを分析。解像度の不足や注視点の不明瞭さを改善するため、ベクターデータによるトレース化や、カラー化の意図を明確にするルール作りをアドバイスしました。

3. 診断結果(定量評価)

診断の結果、現在のマニュアルのスコアは100点満点中61点(基準点65点)と算出されました。

  • 強み: 情報の網羅性、PDFとしての基本機能、カラーの多用による分かりやすさ。
  • 改善点:「情報の探しやすさ」および「情報のわかりやすさ(構造化)」における得点が基準を下回っており、ここがTCアワードジャパン受賞レベル(70点以上)へ引き上げるための鍵であることが明確になりました。
マニュアル評価表

4. 今後の展望と効果

今回の診断により、S社様は「どこをどのように直すべきか」という具体的なロードマップを策定できました。

  • ユーザー視点の強化:「使用者の定義」に基づき、設置担当者、オペレーター、保守担当者それぞれに最適な情報の出し分けを行うことで、マニュアルの利便性が飛躍的に向上します。
  • 保守・運用の効率化: 記載ルールを統一し、情報の重複(識別子の分散など)を解消することで、将来的なマニュアル改訂コストの削減も見込まれます。
お客様の声

「自社では気づけなかった『情報の混在』や『規格との乖離』が、客観的な数値と具体的な指摘で明確になりました。
これから目指すべき方向性が定まり、マニュアル制作の現場にも活気が出ています。
弊社のマニュアル評価サービスに対して一定の評価をいただきました。

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